温度係数の小さいLTCC(低温同時焼成セラミックス)と銅の印刷コイルにより、多層構造のLCフィルタになっています。LとCを多層構造にしたことで、小型化を実現しています。
フィルタの波形の変更は、コイルパターンやコンデンサパターンを差し替えることにより、実現が可能です。
LTCCとはLow Temperature Co-fired Ceramicsの頭文字を取った略語であり、低温同時焼成セラミックスを指します。
LTCCの特徴は、通常1500°C以上の高温で焼成されるセラミックスの材料にガラス成分を混ぜることで、焼成温度を900°C程度に下げられることです。これにより、内蔵する配線に導体抵抗の低い銅、銀を使うことを可能としました。
ムラタのLTCCは内部電極に銅を使うことにより、イオンマイグレーション※の発生を抑え、ロスが少なく電気的特性にすぐれた「LCフィルタ」を商品化しております。
- ※イオンマイグレーション:湿度が高い環境下において、電圧を印加すると、配線パターンの陽極の金属がイオン化して対向する陰極に移動し、再び陰極で金属として生成される現象。これによりショート不良につながる恐れがある。