Japan / MURATA MANUFACTURING CO., LTD.
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世界初!! 高周波用低損失積層セラミックコンデンサGQM22シリーズ500V定格品の商品化

2010年3月23日

株式会社村田製作所
代表取締役社長 村田 恒夫

世界初!! 高周波用低損失積層セラミックコンデンサGQM22シリーズ500V定格品の商品化

要旨

株式会社村田製作所はこのたび、低損失材料技術と卑金属電極技術を融合した高周波用低損失タイプの積層セラミックコンデンサGQM、500Vシリーズを商品化しました。損失を低減するためには卑金属電極の利用が有効ですが、その利用には諸特性の調整、焼成条件などに課題がありました。今回、当社の材料、焼成技術により、卑金属電極の利用が可能となり、卑金属電極を用いた500V定格品としては世界初となります。

GQMシリーズは移動体通信基地局や高速ブロードバンド用基地局に使用されるRFパワーアンプ用低損失タイプで、VHF、UHF、GHz帯の周波数領域に最適のシリーズです。今回、100V、250V定格に続き商品化した当製品は、上記の周波数帯においてより高Q※1、低ESR※2を実現しており、汎用の中高圧品と比較して1MHzでのQ値は40%向上しています。

製品サイズは2.8×2.8×1.15mmで、静電容量値0.5pFから100pFまでを実現しており、B偏差※3 (±0.1pF) を中心とした狭偏差品に対応可能です。移動体通信、及びWiMAX※4やLTE※5基地局のパワーアンプ等に使用される整合回路やカップリング回路、その他関連するRF高周波モジュールに最適で、機器の高周波特性改善に貢献します。

背景

移動体通信基地局や高速ブロードバンド用基地局の中には送受信の信号を増幅するパワーアンプが使用されており、その回路は半導体のほか多数の積層セラミックコンデンサで構成されています。近年、通信速度の向上により、周波数がより高周波化され、積層セラミックコンデンサに対しても、高周波においても高いQを維持すること、損失に影響するESR値を出来るだけ低く抑えることが求められています。

当社では、従来、高周波用低損失タイプで貴金属電極品の商品化を進めていましたが、数年前からはより一層の高周波帯域に対応するため、高周波特性に優る卑金属電極と温度特性が良好な低損失材料をベースにしたGQMシリーズを開発してきました。損失低減、Q値の向上には、卑金属電極の利用が有効ですが、諸特性の調整、焼成条件などに課題がありました。しかし、今回当社の材料、焼成技術を活かし、卑金属電極を用いた製品の商品化に成功しました。

GQMシリーズは定格としてすでに100Vと250Vを製品化していましたが、高周波化のほか、昨今の高電圧化のニーズに伴い、500V定格も新たにラインアップに加えました。これにより機器の設計の幅が広がり、次世代の通信方式へも対応が可能です。

また、汎用中高圧品の偏差はJ (±5%以内) やD (±0.5pF) が中心でしたが、設計段階での整合性向上、回路設計のスムーズ化のために狭偏差品が求められており、B偏差 (±0.1pF) やC偏差 (±0.25pF) を中心とした狭偏差対応を可能としました。

特徴

  • 温度特性が良好な低損失誘電体材料と高周波領域で低いESR値を実現できる卑金属電極材料を採用し、整合回路やその他高周波回路で望まれる高いQ値を実現しました
  • 電磁界シミュレーションを用いて最適設計を行い、内部電極構造を工夫することによって磁界結合を強め、自己共振を安定させました
  • 高い耐圧設計
  • B偏差 (±0.1pF) やC偏差 (±0.25pF) を中心とした狭偏差対応が可能
  • RoHS適合

用語説明

※1 Q: 積層セラミックコンデンサに使用される誘電体に任意の周波数が印加されたとき、誘電体内で電気エネルギーの一部が熱となって失われる量の逆数で定義される。Qが大きいほど、損失が小さくなる。
※2 ESR: 積層セラミックコンデンサの等価回路における直列抵抗成分。損失に影響する定数。
※3 B偏差: コンデンサはその容量偏差により、B偏差、C偏差などのクラスが決められている。B偏差 (±0.1pF)、C偏差 (±0.25pF) などがある。
※4 LTE: Long Term Evolutionの略。新たな通信規格の一つであり、標準化団体である3GPPにより標準化が進められている。実現すれば下り100Mbps以上、上り50Mbps以上の高速通信が可能となる。
※5 WiMAX: Worldwide Interoperability for Microwave Accessの略。新たな通信規格の一つであり、IEEE (電気電子学会) 標準規格802.16eをもとに規格化されている。無線LANと比較して、広域での通信が可能となる。

用途

移動体通信、及びWiMAXやLTE基地局のパワーアンプ等に使用される整合回路やカップリング回路、その他関連するRF高周波モジュール

品番

例 GQM22M5C2H1R0B (静電容量1pF、B偏差品の場合)

特性図

周波数 インピーダンス特性 (1pF品の場合)

周波数 インピーダンス特性 (1pF品の場合)

周波数 Q特性 (1pF品の場合)

周波数 Q特性 (1pF品の場合)

周波数 ESR特性 (1pF品の場合)

周波数 ESR特性 (1pF品の場合)

電気的性能

静電容量: 0.5pF〜100pF
定格電圧: DC500V
使用温度範囲: -55℃〜125℃
温度特性: C0G (温度係数: 0±30ppm/℃)
耐電圧: DC1250V
Q値: 30pF未満; Q≧800+20C C: 公称静電容量 (pF)
30pF以上; Q≧1400 (測定周波数: 1MHz)
自己共振周波数: 4GHz以上 (1pF)

外形寸法図

L=2.8±0.5 W=2.8±0.4 T=1.15±0.2 (単位: mm)

外形寸法図

生産体制

2010年3月より生産開始

お客様からのお問い合わせ先

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お問い合わせ先

広報部企業広報課
TEL: 075-955-6786/FAX: 075-955-6526

NOTE
ニュースリリースの内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
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