Japan / MURATA MANUFACTURING CO., LTD.
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京都大学・村田製作所による産学連携
赤外線透過用単結晶レンズのプレス加工技術の開発について

2011年10月20日

株式会社村田製作所
代表取締役社長 村田 恒夫

要旨

株式会社村田製作所は、文部科学省地域イノベーション戦略支援プログラム (グローバル型) 京都環境ナノクラスター (中核機関 (財) 京都高度技術研究所: 理事長 森井保光) 環境センサ分野 (研究代表者 京都大学 平尾一之教授) に参画し、京都大学 (大学院エネルギー科学研究科 中嶋一雄教授) との産学連携により、赤外線透過用単結晶レンズの低温プレス加工方法、およびその加工装置を開発しました。今後、研究開発成果を公開し、革新的な商品やビジネスモデルを生み出す「オープンイノベーション」に向け、他企業との協業を検討していきます。

詳細

当社は、文部科学省地域イノベーション戦略支援プログラム (グローバル型) 京都環境ナノクラスターに参画し、テラヘルツ関連、フェムト秒レーザー*1関連、環境センサ関連の研究開発をおこなってきました。その一環として、赤外線カメラレンズなどの素材となる赤外線透過材料シリコン、ゲルマニウム単結晶及び多結晶の加工法の研究開発をおこない、平成22年JST (科学技術振興機構) 研究成果最適展開支援プログラム (A-STEP) フィージビリティステージの支援を受け、実用化を目指してまいりました。

従来、ゲルマニウム単結晶は硬く脆いため室温で力を加えると劈開 (へきかい) *2し、プレスによる加工は不可能とされ、研磨加工されてきました。そうしたなか、京都大学 中嶋一雄教授は、材料の融点に近い高温で加圧すれば結晶構造を維持しながらプレス加工ができることを発見し、実用化に向けた研究を継続して進めておられます。しかし、融点直下のシリコン1,400℃、ゲルマニウム900℃といった高温では、加圧機構が複雑になることや型材料の反応防止策が必要なことなどの課題がありました。

そこで当社は、保有する低温化技術 (放電プラズマ焼結法) をこれに適用し、シリコン700℃台、ゲルマニウム500℃台でプレス加工することに成功しました。これらの温度は、普及しているガラスレンズ成形機の処理温度に近く、加工機構や型材料、反応防止膜などの既存技術がそのまま使用できます。ガラス成形に用いられている既存の型材料をそのまま使用して非球面レンズが成形できるため、ナノインプリント*3などへの応用やコスト面での優位性が期待できます。

なお、上記京都大学の研究成果は2011年9月発行 (Web版) の「Applied Physics Express」誌に掲載されています。

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特徴

  • シリコン、ゲルマニウムの単結晶及び多結晶を実用温度域 (500〜700℃) で加圧プレス加工できます (シリコン融点1,410℃、ゲルマニウム融点937℃)
  • プレス加工条件により、シリコン、ゲルマニウムの透過特性について波長依存性*4を付与することができ、さらに低温アニール処理*5で初期透過特性に戻すことができます
  • 赤外線カメラなどの赤外線透過レンズへの応用が可能で、ガラス成形に用いられている既存の型材料をそのまま使用して非球面レンズが成形できます
  • 加工温度が低く抑えられるため、ほとんどの金属製型材料が使用でき、また型形状の転写が容易にできるのでナノインプリントなどへの応用が期待できます

課題

  • 低温化技術適用時の変形メカニズムの解明が必要で、引き続き京都大学中嶋教授にご担当いただきます
  • 設備設計上の制約で適用材料厚みが2mm以下にできない問題があり、機構開発をおこなっています

用語解説

*1 フェムト秒レーザー: レーザーパルスの持続時間を数兆〜数百兆分の1秒にまで短パルス化したレーザー。レーザー照射点の周辺部位が熱的・化学的な損傷を受けない高精度・高品質な加工ができる
*2 劈開 (へきかい) : 加圧により、結晶が特定の面に平行に規則正しく割れる性質
*3 ナノインプリント: 露光装置を使わずに、原版を基板に押し当てることで微細加工を実現する技術
*4 波長依存性: 波長の違いによって特性 (今回は透過特性) に差が出ること
*5 低温アニール処理: 結晶中の乱れや応力を減らす目的で一定時間高温に保つ処理。今回は加工温度の低温化に伴いアニール処理温度もそれ以下の温度で処理できる

お問い合わせ先

広報部企業広報課
TEL: 075-955-6786/FAX: 075-955-6526

NOTE
ニュースリリースの内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
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