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LED電球 ノイズ対策、平滑用途中高圧セラミックコンデンサの紹介

電波新聞第2部「ハイテクノロジー」2010年12月2日号に掲載された内容を再構成したものです。

掲載誌 電波新聞第2部「ハイテクノロジー」2010年12月2日号

No. TA10C1

はじめに

昨今、電子機器については、かねてからの小型・薄型化、省エネ、低ノイズ化などの要求に加え、地球温暖化防止の観点から、エコロジーをも実現した実機であることが望まれている。このような市場要求の中'09年頃から普及してきたLED電球は、小型・薄型化を満たすと共に、長寿命化により高いエコロジー性を実現しており、これに搭載される電子部品についても同じく小型・薄型化、長寿命化が要求されている。LED電球には10W前後の小電力容量の電源が搭載されていることから、主に電解コンデンサやフィルムコンデンサが使用されていた平滑機能の用途にも、小型でより長寿命であるセラミックコンデンサが使用される事例が増加している。

当社では、従来のセラミック材料に比べて実使用時に高い静電容量が取得できるセラミックコンデンサを開発したのでその特性を紹介し、LED電球をはじめその他電子機器の電源部で推奨する使用回路について紹介する。

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新材料セラミックコンデンサの性能

新材料セラミックの特徴については、キュリー点を従来材料のそれより低温側にずらし、常温域 (25℃) で常誘電相を呈するように組成を工夫した。その結果、新材料商品は従来のものに比べて、以下のような性能を達成できた。

1) DC電圧印加時の静電容量値低減率が小さく、高い実効容量値 (DC電圧印加時容量) を確保できる。DC600V印加時で約2倍の静電容量が確保できている。

グラフ1: 静電容量-DC電圧特性

グラフ1: 静電容量-DC電圧特性

2) 損失が小さく、許容電流容量が大きい。周波数f=250kHz時で、約1.6倍の電流許容量がある。

当社では許容電流容量の基準については、雰囲気温度25℃下で、コンデンサ自己発熱温度20℃までの電力印加が可能である。静電容量1µF品の場合、周波数f=250kHz時にて、従来材料商品は2.9Armsまでの耐量に対し、新材料は4.7Armsまでの耐量がある。

グラフ2: 発熱温度比較

グラフ2: 発熱温度比較

3) DC電圧印加時の機械的な歪み量が比較的小さく、音鳴き (音圧レベル) も小さい。従来品と比べ、音圧は1/5となる。

新材料セラミックは圧電特性が小さい。これにより、電気的信号の変化に対する機械的振動が発生しにくくなる。

グラフ3: 歪み量比較

グラフ3: 歪み量比較

グラフ4: 音圧レベル比較 (当社測定による)

※音圧レベル6dBの低減は、音圧が1/2化したことを意味する。
※新材料コンデンサと従来品の差は15dB以上あり、音圧は1/5化されていることになる。

グラフ4: 音圧レベル比較 (当社測定による)

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ラインアップと使用回路の紹介

表1: 商品 (静電容量) ラインアップ

定格電圧 サイズ
L×M (mm)

静電容量 (µF)

0.047 0.068 0.1 0.15 0.22 0.33 0.47 0.68 1 2
DC250V 3.2×1.6                    
3.2×2.5                    
4.5×3.2                    
5.7×5.0                    
DC450V 3.2×1.6                    
3.2×2.5                    
4.5×3.2                    
5.7×5.0               0.56    
DC630V 4.5×3.2                    
5.7×5.0           0.27        

2010年10月現在、新材料によって、表1に示す範囲での商品化を終了した。さらに、獲得可能な最大静電容量については、リード付き、あるいは金属端子付きによる2段積み商品化により、定格電圧DC250V品で2µF (=1µF×2) 、DC450Vで1.1µF (=0.56µF×2) 、DC630Vで0.54µF (=0.27µF×2) を実現できる。なお、新材料セラミックコンデンサの温度特性はX7T特性である (従来材料はX7R特性) 。

図1にLED電球の一般的な電源部の回路図を示す。

電源部回路図

図1: 電源部回路図

新材料商品の性能については、前頁に示したように、

  • 従来品に比べて高い実効容量値を確保できていること
  • 許容電力容量が大きくリプル電流の耐量が大きいこと

等から、LED電球のような小容量電源では、ノイズ対策だけでなく平滑用途としても使用可能であり、図1のC4,C5に最適な設計となっている。

具体的な容量値の選定については、国内向け実機: AC100V入力の場合、整流回路直後のプラス-マイナス間電位差は140Vo-p (=100×√2) であるから、定格電圧DC250V品が最大容量値2µFまで選定可能となる。同じく、ワールドワイド向け実機: AC240V入力の場合、340Vo-p (=240×√2) で、DC450V品は1.1µF、DC630V品は0.54µFまでの容量を選定できる。

また、LED電球の他、LED照明機器は高調波、力率改善規制を受けて、整流回路直後にPFC (力率改善) 回路を付加される場合もある。新材料商品は従来のものに比べて損失が小さいことから、高周波リプル電流耐量にも優れPFC入力コンデンサとしてもご使用いただける。

なお、その他のC1、C2等にご使用いただけるコンデンサについても表2に示した。

表2: その他の回路のコンデンサ

回路 用途 チップタイプ リードタイプ ラジアルリードタイプ
C1 Xコンデンサ GA3/Type GB (X2) AC250Vrms    
C2 Yコンデンサ GA3/Type GF (Y2) AC250Vrms DE1/Type KX (Y1) AC250Vrms  
C7 SWスナバー GRM/U2J/DC250〜630V    
C8 出力平滑 GRM/X7R/DC25〜100V   RDE/X7R/DC25〜100V

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おわりに

新材料コンデンサは低損失、大容量化を目標に材料開発を実施し、商品化してきた。回路上の用途としては、ノイズ対策の他、平滑用途に最適な商品とすることができた。今後は必要な技術データの整備を行い (許容電流容量データなど) 、さらにご使用いただきやすい情報提供を行っていく。

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