セラミックコンデンサ(キャパシタ)問題解決事例
電解コンデンサからの置換え_特性評価

電解コンデンサ置換え評価を実演いたします。電解コンデンサを導電性高分子コンデンサ、あるいは積層セラミックコンデンサに置き換えることによって、特性の大幅な改善が可能であり、さらに低背化が実現できます。

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概要

電子機器には、多機能化、軽薄短小、省エネを意識したものが求められ、これに伴ない、特にセラミックコンデンサやPolymerコンデンサには、小型/大容量化、低ESR化、高信頼性化などの期待が高くなってきています。

ご紹介するデモは、DC-DCコンバータの出力コンデンサを一般電解コンデンサから、弊社のセラミックコンデンサやPolymerコンデンサに置き換えた場合のリップル電圧波形をパソコン上に表示させて、比較するものです。

DC-DCコンバータの出力コンデンサはリップル電圧を抑えるために使用されていますが、ESRが非常に小さいセラミックコンデンサを使用しますと、出力電圧が異常発振することがあります。その場合には位相補償部の定数を調整することにより、異常発振を抑えることができます。

Circuit Diagram of Voltage Step Down DC-DC Converter 降圧型DC-DCコンバータの回路図

デモ基板

対象品

ICメーカー名
ROHM製
型番
BD9778F
DCDC仕様
入力電圧 12V
出力電圧 5V
出力電流 0.6A
スイッチング周波数 300kHz
出力コンデンサ
1 一般電解: タンタル/100µF
2 Polymer: 100µF/ECASD40J107M015K00 (弊社品)
3 MLCC: 22µF×3ヶ/GRM188B30J226MEA0 (弊社品)
Demonstration Board

リップル電圧比較

Polymer vs. Common Electrolytic Capacitor

Polymerコンデンサは一般電解コンデンサよりESRが低く、リップル電圧を低減できます。

Ceramic vs. Common Electrolytic Capacitor

セラミックコンデンサは更にESRが低く、容量を小さくしても、リップル電圧を低減できます。
但し、ESRが非常に低いため、異常発振する場合があり、これを抑制するためには、位相補償回路の調整が必要となります。

異常発振について

Before Tuning (Abnormal Waveform)

セラミックコンデンサは電解コンデンサに比べESRが非常に低く、LCフィルタの位相が急速に反転することがあるため、そのまま置換えると異常発振することがあります。

Tune the constant of the phase compensation circuit!
After Tuning (Normal Waveform)

位相補償回路はLCフィルタの位相回転を抑えます。この回路の定数を適正にチューニングすることで、異常発振を防止させることができます。位相マージンは45度以上が望ましいとされています。

リップル電圧見積り式とコンデンサの特性比較

リップル電圧見積り式

リップル電圧見積り式

セラミックコンデンサは低ESRのため、容量を小さくしてもリップル電圧を低減させることができます。

【注】 セラミックコンデンサは電圧特性をもち静電容量が変化 (減少) します。使用する電圧を確認したアイテム選定が必要です。

Comparison between Ripple Voltage Estimation Formula and Capacitor Characteristics

電解コンデンサ置き換え評価サポートのご案内

電解コンデンサからセラミックコンデンサへの置換効果

効果 電解コンデンサ セラミックコンデンサ
コストダウン
実装スペース削減
リップル・スパイク
信頼性
負荷応答
位相調整難易度
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