コンデンサガイド

コンデンサの基礎 【第2回】 コンデンサってどんな特性をもっているの?

本コラムはコンデンサの基礎を解説する技術コラムです。
第1回では、コンデンサの働きについて紹介しました。今回はコンデンサの特性について紹介していきます。

【第2回 セラミックコンデンサの機能と特性】

1-1.コンデンサの分類

コンデンサと言っても色々な種類があります。図1に示すように、セラミックコンデンサを始め、タンタル電解コンデンサやアルミ電解コンデンサなど、材料に何を使っているかで分類されています。特に積層セラミックコンデンサは小型ながら容量範囲も広く、ノイズ除去や電源電圧の平滑化、フィルタなど様々な回路で使われます。最近では、携帯電話やテレビの高機能化に欠かせない部品となっています。

図1 コンデンサの分類と特長

1-2.積層セラミックコンデンサの特長

<特性① 温度特性>

セラミックコンデンサは、図2に示すように温度補償用と高誘電率系に分けられます。温度による静電容量の変化に違いがあり、各特長に応じた使い分けが必要になります。国内ではJIS規格、欧州ではEIA規格で細かく分類されています

温度補償用

温度変化による静電容量の変化率が小さく、フィルタや高周波回路のマッチングなどに使われます。コイルとコンデンサを組み合わせて使用することありますが、コイルは温度が上がるとインダクタンスが増える性質を持っており、コンデンサには負の温度特性を持たせてズレを補うような使われ方をする場合もあります。

高誘電率系

誘電率の高い材料を使ったコンデンサで、静電容量が大きいという特長を持っています。用途は電源のデカップリングコンデンサや平滑回路として使われます。温度補償用に比べて温度による静電容量の変化率が大きいため、フィルタなどの信号経路に使う場合には注意が必要です。

図2 セラミックコンデンサの温度特性と規格

<特性② 低ESR、低ESL>

積層セラミックコデンサは高周波特性が良いという特長を持っています。他のコンデンサに比べて、抵抗成分(ESR※1)や残留インダクタンス成分(ESL ※2)を小さくできる構造となっているので、高周波でもコンデンサとしての働きを保ち続けることができます。図3、図4に等価回路とインピーダンス特性を 示します。アルミ電解コンデンサやタンタル電解コンデンサはESR成分が高いために、インピーダンスも高くなりますが、セラミックコンデンサは高い周波数 になるほどインピーダンスが小さくなります。ノイズを除去するのに効果的で、高性能なフィルタを形成することもできるようになります。

 ※1 ESR:Equivalent Series Resistance(等価直列抵抗)
 ※2 ESL:Equivalent Series Inductance(等価直列インダクタンス)

図3 コンデンサの等価回路
図4 インピーダンス特性

担当:村田製作所 M.N & Y.I

記事の内容は、記事公開日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

関連リンク

関連製品

関連記事