インダクタの基礎 【第5回】 インダクタの実装技術
2011年08月31日
カテゴリー:インダクタPLAZA
本コラムはインダクタの基礎を解説する技術コラムです。
【第5回】インダクタの実装技術
第5回は、インダクタ商品の実装技術について解説いたします。
「インダクタ」と一言で言っても、ムラタで商品化しているインダクタの種類は大きく分けて3種類の構造があります。(詳しくは第4回 インダクタの構造をご参照ください。) また、それぞれサイズの小さなものから大きなものまで多種多様の商品がラインナップされています。近年、セットの小型化需要により、インダクタ商品においても部品の小型化が急速に進展してきており、これら部品の基板実装においても高度な実装技術が要求されるようになってきました。そこで、今回はインダクタ商品の実装に関する注意点について、過去の事例の中からいくつか紹介させていただきます。
(1)高周波用巻き線横巻きインダクタ(LQW15シリーズ)の実装について
この商品は一般的な積層セラミックコンデンサなどと異なり、2端子部品でありながら、高いQ特性を得るために部品の下面だけに電極を形成する構造になっています(図1)。このような部品の場合は、下面電極の表面積に見合ったはんだ量を供給する必要があります。
実装不具合としては、部品が傾いた状態で実装される(図2)、あるいは、ランド上にθずれした状態で実装される(※1)(図3)といった事例があります。これらの不具合は、部品の下面電極の表面積に対して、適量以上のはんだを供給したことが原因です。
このような不具合を未然に防止するためには、リフローはんだにて、基板ランドへのはんだ供給量を電極面積に応じて適切にコントロールする必要があります。弊社では、カタログの実装情報ページなどで、適切なランドパターンやはんだ印刷パターンを提示しています。
例えば、LQW15Aシリーズの場合は、最適はんだ量とするために、弊社推奨のはんだ厚みやランド寸法に対する推奨はんだ量を記載しています(図4)。(詳しくはこちらをご参照ください。)
(※1) θずれ:図3のようにランドに対し部品がある角度ずれているもの
(2)高周波用フィルムタイプインダクタ(LQP02シリーズ,LQP03シリーズ)の実装について
セットの小型化に伴い、実装面積を最小化するため、そこに使用される部品は1005サイズから0603サイズへ、さらに近年では0402サイズへと小型化が急速に進んでいます(図5)。このような極小部品においては、僅かな実装環境の変化によって実装不具合を招くことがあります。
例えば、部品の片側がはんだに接触せず立ち上がるツームストーン現象(マンハッタン現象)と呼ばれる実装不具合です(図6)。
原因としては、下記の事が挙げられます。
①部品がマウンタで基板に搭載される際にずれた
②部品の左右ランドへのはんだ供給量にばらつきがあった
③リフロー時、部品の左右ランドで温度差がある
(大型部品が隣接していたなど)
④レジスト印刷ずれや基板設計時点で左右ランドの大きさが違う
⑤基板設計時のランド寸法が必要以上に大きい
上記のような環境で実装することがないよう十分配慮する必要があります。
2011年08月31日
カテゴリー:インダクタPLAZA